2012年10月02日
大手インターネット検索サイト「Google」で行った検索の内容は、Google社に記録される。Googleにログインした状態で行った検索は、用いたキーワードや、検索結果からアクセスしたページを、ユーザがふりかえって閲覧できるWeb History機能が提供されている。自分のインターネットアクセスの履歴が分かるので、ちょっと恥ずかしい。
ネットユーザは、何か知りたいことが出るたびに、Google(などの検索サイト)の検索窓に入力して、結果の上位に表示されたページを見ることを、毎日のように繰り返している。
Googleで行った検索は、Google社によって記録されている。
検索は、人々が積極的に知りたいと思ったときに行われるので、検索の履歴を記録すれば、社会で何が流行しているかがよく分かるので、マーケティングなどには有効な情報が得られるのだろう。
何をGoogle社が記録しているかは、Googleで「ウェブ履歴」と検索すると出てくるページに説明されている。それによると、こんな情報を記録しているそうだ。
検索キーワード
検索するときに入力した単語や文章のことだ。例えば、新幹線の新型車両のことを知りたいときに「新幹線 新型車両」と入力すれば、「新幹線 新型車両」が記録される。
検索結果
キーワードの入力に対して表示されたページの一覧のことだ。
実際にアクセスしたページ
検索結果のどのページに実際にアクセスしたかも、記録されている。
ユーザの行動は、Google社に全て記録されているのだ。
Googleにユーザ名とパスワードを登録している場合は、ログインした状態で行った検索に限っては、後で自分で記録を振り返ることができる。
https://history.google.com/ にアクセスすると、自分が何を検索して、検索結果のどのページにアクセスしたかが、きれいに保存されている。
検索した日付や時刻も記録されているので、自分がいつ何を考えていたのかが、手に取るように分かる、のかもしれない。まさに、心のログである。
最近は、新しい新幹線車両の発表があったりして、乗り物に興味が出ていたのだなあと思う。しかし、人には見られたくない情報だ。
自分の興味がそのまま記録されていくので、自分の心の中を振り返るようで、とても恥ずかしい。(上記の画面は、このページを作るために用意した例なので、それほど恥ずかしくはないけれども。)
日記などとは違い、その場その場で興味を持ったり、調べる必要が生じたことが、そのまま記録されているので、自分の本音がそこにはつまっている。
このような情報は、人に物やサービスを売る立場の人には、高い価値を持つ。
新幹線に興味があるのであれば、旅行会社や鉄道模型の会社は、商品を売り込むチャンスである。
Google社では、今のところ、このような個人の情報を、自社の広告サービスで上手に使っている。
消費者が関心を持ちやすい広告を、ユーザの個人情報を使って、自動的に選んで表示する、というのが、今のところの、検索履歴を活用するビジネスのようだ。
例えば、Google社が私に対して、鉄道模型や旅行の広告を多く表示するようにすれば、私が広告をクリックする可能性があるので、Google社はもうかるのである。
例えば、「新幹線 新型車両」で検索すると、次の広告が表示された。模型のページはないが、ツアーのページが1つあるので、旅行に興味があるとの分析が行われたようだ。
1回の検索結果だけからではなく、日頃の検索の履歴から、表示する広告を選んでいくようになると、さらにユーザの気を引く広告を選べるのかもしれない。
あまりそれをやりすぎると、うざく見えるかもしれない。
検索の履歴を、利用者に無断で、個人情報とともに販売するようなビジネスは、ふつうはやらない。プライバシーの侵害になってしまうからだ。
検索の履歴は個人情報だ。漏洩すると、ものすごく恥ずかしい。
情報が、悪用される可能性もある。
お金に困っている人に、不正な金利でお金を貸そうとしたり、コンプレックスを抱いている人に、あやしい商品やサービスを売りつけようとする人が集まってくると、こわい。
政権に批判的な人を国家が締め出すような、強権的な社会になったとすると、政府に都合の悪い人物をネットの検索履歴から抽出し、根こそぎ弾圧するような時代が来るかもしれない。そんな社会で、ネットの検索結果を政府に握られたら、恐ろしいことになる。
実際にそのような事態になると、検索結果を人に知られるのが怖いから、インターネットで検索を利用するのを控える、というか、インターネットのブラウザを使うのを控える人が出てくると思う。
情報システムに不正アクセスしたり、悪いビジネスを考えたり、世界征服をたくらんだりする人は、いつの世の中にもいる。便利なようでいて、ちょっと怖い時代になった気がする。
トップページ → なにげなく自由研究(もくじ) → Googleの検索結果は記録されている--振り返ると恥ずかしいかも?
著者のメールアドレス・Twitterアカウントは、トップページからご覧ください。
製作・著作:杉原 俊雄(すぎはら としお)
(c)2012 Sugihara Toshio. All rights reserved.