2012年3月13日
テレビの映画番組等では、毎秒24コマの映像を、毎秒60フィールドのテレビ放送に変換して放送している。実は、変換の仕方は一通りではなかった。
ブルーレイレコーダーを買った。
レコーダーは、録画した番組をコマ送りして見られるので、映像を1コマずつ鑑賞するという、新しい楽しみ方ができる。
コマ送りボタンを押すと、手元のレコーダーでは、60分の1秒ぶんずつ送られる。
ところが、番組によっては、コマ送りボタンを押しても、なかなか次の画像に変わらないことがある。
それは、映画の番組である。映画は、毎秒24枚の画像からできているので、1秒間に24回しか画像が変わらない。
60分の1秒進めても、次の画像に進むとは限らないのだ。
1秒に24回画像が切り替わる映画では、コマ送りボタンを60回押せば、24回画像が切り替わる。
より細かく調べていくと、どうも、番組により、切り替わり方が違うようだ。
テレビの映像は、映像が動いているように見えるが、実は、1秒に数十枚の止まっている画像を、素早く切り替えて表示することで、動いているように見せかけている。
テレビに映る画像は、毎秒30フレームだ。つまり、1秒間に30枚の絵が映る。
だから、30分の1秒ごとに、コマが切り替わるのかというと、少し違う。
60分の1秒毎に、1フレームの半分ずつ映している。つまり、60分の1秒毎に、0.5枚ずつ絵を送っている。
この、1枚の半分の情報を持つ絵を、「フィールド」という。
フィールドは、見た目はふつうの画像だが、縦方向の解像度が半分しかない。なので、情報が0.5枚分しかないらしい。
フィールドについて詳しくは、Wikipediaの「インターレース」の説明が分かりやすい。
テレビは、60分の1秒毎に、0.5枚ずつ絵が映る、ということは知っておこう。
映画は、1秒に24枚写真を撮影して作られている。
実写の映画だけでなく、アニメの映画でも同じだ。
テレビと比べると、画面が切り替わる頻度は半分以下だ。
テレビではときどき、映画の番組を放送している。
テレビには、60分の1秒毎に、0.5枚ずつ画像を送るという約束があるので、毎秒24枚の画像をそのまま送るわけにはいかない。
24枚の画像を、なんとかテレビとして扱えるように、変換して放送している。
ちなみに、ぱっと見ただけでは「2,3,2,3」なのか「2,2,2,4」なのかは区別がつかない。
どちらのほうが、画質として望ましいかも分からない。
ただし、2つの方式があるということは、利点や欠点がきっとあるのだろう。
デジタル放送では、映像を圧縮して放送しているので、切り替えのタイミングによって、圧縮による画質の変化に違いがあったりしないのだろうか。
なんだか、奥が深そうな世界である。
いっそうのこと、映画の番組は、毎秒24コマで放送すればいいのに。
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製作・著作:杉原 俊雄(すぎはら としお)
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