自作光デジタル入出力インターフェース--パソコンのSPDIFピンヘッダを光ケーブルにつなぐ

作成 2009年1月30日


自作パソコンで使うマザーボードのほとんどには、オーディオ機能がオンボードで搭載されていますが、アナログ接続での入出力だけでなく、実は、デジタル接続用の入出力インターフェース(S/PDIF In/Out header)も内蔵する機種が多くなっています。

ただし、デジタルのインターフェースはピンヘッダだけで、光ケーブル用の端子は別売のブラケットを使うことが前提となっている場合がほとんどです。

このブラケットは、光ケーブルのコネクタ(送受信モジュール)をピンヘッダにつないだだけの簡単なものですので、実は、容易に自作できます。

光デジタル端子付きの高価なサウンドカードや外付けユニットを買わなくても、簡単な電子工作で、光ケーブルで音声を入力・出力できる環境を作れます。

デジタルテレビとパソコンを光ケーブルでつないでの録音と、パソコンをMDレコーダにつないでの再生(MDレコーダで録音)を、実際に試してみました。

自作光デジタルインターフェース
自作光デジタルインターフェース

なお、使っているパソコンのマザーボードは、GIGABYTE社製 GA-8IG1000-Gです。少々古いですが、S/PDIFの入出力コネクタがちゃんとついています。

作成した回路でできること

今回作成した回路は、マザーボード上の「S/PDIF In/Out header」のコネクタと、光 ケーブルを接続可能なコネクタを接続できるようにします。

マザーボードの「S/PDIF In/Out header」に接続する端子を持ちます。

ピンヘッダ接続用コネクタ
ピンヘッダ接続用コネクタ

光コネクタを、出力用と入力用で1つずつ持ちます。

光コネクタ搭載基板
光コネクタ搭載基板

信号の流れをまとめると、以下のとおりです。桃色の部分が、今回作成した回路です。

信号の流れ
信号の流れ

ハードウェアの仕組み

作成したハードウェアは、ピンヘッダからの信号を受けて光送信モジュールを動作させる部分と、光受信モジュールからの信号をピンヘッダに届ける部分からなります。

回路図

手書きですが、回路図はこのようになります。

回路図
回路図

S/PDIFの出力を光送信モジュールにつなぎ、光受信モジュールをS/PDIFの入力につなぎます。

電源は、マザーボードのS/PDIFのピンヘッダの+5Vを直接利用しています。

電源回路には、安定化のため若干の部品を追加しています。

ピンヘッダ

ピンヘッダはマザーボード上にあるため、基板上ではなく、ケーブルの先に取り付けました。

今回用いたマザーボードでは、S/PDIFのピンヘッダは、以下のピン配置になっています。

コネクタのピン配置
コネクタのピン配置(出典:GIGABYTE社 GA-8IG1000-G 取扱説明書)

ちなみに、2番にはピンがないので、ピンヘッダの向きが分かります。

回路は、3番ピンからの信号に従って光を出力する出力回路と、光による入力信号に従って4番ピンに信号を届ける入力回路からなります。

出力回路

ピンヘッダの3番ピンの信号を、出力用の光コネクタから出力します。

出力用の光コネクタは、送信モジュールTOTX179を使いました。秋葉原の千石電商で、300円で買いました。

3ピンのモジュールで、5Vの電源と入力信号をつなげば、光信号が出力されます。

電源は、1番ピンから直接取れます。電源に0.1uFの積層セラミックコンデンサをつける以外に、外付け部品は不要です。

入力回路

入力用の光コネクタからの信号を、ピンヘッダの4番ピンに伝えます。

入力用の光コネクタには、受信モジュールTORX177を使いました。こちらも秋葉原の千石電商で買いました。200円でした。

3ピンのモジュールで、5Vの電源をつなげば、光信号を変換した電気信号が取り出せます。

電源には、1番ピンの5Vを使いますが、47uHのコイルと0.1uFのコンデンサで、少しだけ平滑化します。

部品の配置

部品の配置は、こんな感じです。

部品の配置
部品の配置

回路は、秋月電子通商で売っているCサイズのガラスエポキシ基板の上に組みました。

製作では両面基板を使いましたが、はんだが穴の中に吸い込まれてしまうので、片面基板のほうが作りやすいと思います。

光送信モジュールと光受信モジュールは、基板の短いほうの辺の端に置くと、うまくはまります。

ただし、光ケーブルをつないだり外したりするときは、かなりぐらぐらしますので、ケーブルは、基板との間にストレスが加わらないように、慎重に抜き差ししたほうがよいでしょう。

製作

作品は、光コネクタを搭載する基板と、ピンヘッダ用のコネクタをケーブルでつないだ形になっています。

基板の上は、光のモジュールが送受信1つずつ、コイルが1つ、コンデンサが2つ、リード線が4本だけで、いたってシンプルです。

”基板上の部品"
基板上の部品

ピンヘッダにつなぐコネクタには、ケーブルを直接ハンダ付けしましたが、かなり苦労しました。

最初からケーブルがついたコネクタを準備できると、作りやすいと思います。また、出来上がった後の安全性も向上できると思います。

”コネクタとリード線"
コネクタとリード線

使ってみる

入力テスト

デジタルテレビの光出力端子と、回路の光入力端子を光ケーブルでつなぎました。

録音状態にしてテレビをつけると、テレビの音声をパソコンに録音できました。

”テレビとつなぐ"
テレビとつなぐ

出力テスト

回路の光出力端子とMDレコーダの光入力端子を、光ケーブルでつなぎました。

パソコンを再生状態にして、MDレコーダを録音待機状態にすると、MDレコーダからパソコンで再生中の音声が聞こえることを確認できました。

”MDレコーダとつなぐ"
MDレコーダとつなぐ

まとめ

ご注意

電子工作は一般に、けがややけどがつきものの遊びです。試してみる場合は、十分に安全に気をつけて、ご自分の責任でお楽しみください。

今回のような工作を行うと、火事になったり、パソコンが壊れたりする可能性があります。とくに、マザーボードから電源を取り出して使うと、回路がショートしたときに激しく発熱して、燃え出すこともあるでしょう。

マザーボードのピンヘッダは、物によってピンの数や配置が異なる場合もありますので、よく調べたほうがよいでしょう。

電子工作を行わなくても、ジャンパピン1個でS/PDIFコネクタを活用する方法がありますので、以下の記事もご覧ください。



杉原俊雄のホームページ -> PICマイコンを楽しむ -> 自作光デジタル入出力インターフェース--パソコンのSPDIFピンヘッダを光ケーブルにつなぐ
製作・著作:杉原俊雄(すぎはら としお)
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