自作信号機ユニット「ひかり201号」の新要素--赤外線リモコンで操作できる交通信号機のおもちゃ

更新:2005年12月4日
作成:2004年10月3日


PICマイコンを使った電子工作として、赤外線リモコンで操作できる交通信号機を作ってみようという企画です。従来機種「ひかり103号」の後継機として、新たな魅力を秘めた新機種「ひかり201号」を開発しました。

交差点

交通信号機って欲しいかも

道路を進めば必ずといっていいほどみかけるのが交通信号機です。青黄赤のカラフルな光を放ち、行き交う人々をてきぱきとさばく姿は、なんとも魅力的です。

みんなが青になるのを待っているけれど、ふつうの人は操作できないので、ひたすら待っています。機械に人間が従う、という、不思議な光景です。

毎日眺めている信号機は、やっぱり欲しくなるものです。実物と同じ物は市販されていないようですので、おもちゃとして作ってみたことがあります。

2000年のはじめ頃に作ったおもちゃは、「家庭用交通信号機」(ひかり103号)として紹介されています。

従来機種「ひかり103号」の問題点

このおもちゃ「ひかり103号」は、今でもスイッチを入れると元気に動いてくれるのですが、こんな問題点もあります。

新機種「ひかり201号」の新要素

そこで、新しくつくる信号機「ひかり201号」には、次のような新要素を盛り込むことにしました。

  1. 赤外線リモコンで操作できる!

    本物の交通信号機は、一般の人は操作できませんが、おもちゃであれば、自由に操作できたほうが面白そうです。

    ディップスイッチだと、場所をとってしまうし、操作するのがたいへんそうなので、赤外線リモコンの受信ユニットを載せて、リモコンで操作することにしました。

    リモコンを別に作る必要があったりしますが、うまく動けばさらに楽しい品物になりそうです。

  2. 音響信号機としての機能を搭載!

    歩行者用の青信号に連動して、メロディーや鳥の鳴き声を出す「音響信号機」(むかしは「盲人用信号機」と呼ばれていました)の機能を、新たに搭載しました。メロディーと鳴き声を、それぞれ2種類ずつ用意しています。

    鳥の鳴き声では、横断歩道の手前側と向こう側で、同じ鳴き声を交互に鳴らす「同種鳴き交わし」方式を採用しています。

    リモコン操作への反応を、ブザーの音声から白色LEDに切り替える機能を搭載し、大きな音を出しにくい環境や、聴覚に障がいがある方にも配慮しています。

  3. スクランブル交差点や点滅信号などの多彩な動作を実現!

    赤外線リモコンを使った設定では、従来のディップスイッチを使った設定よりも、きめ細かい設定が可能となります。

    PIC16F628に載せるプログラムを抜本的に書き換えることで、押しボタン信号、点滅式信号、スクランブル交差点など、多彩な動作をリモコンで切り替えられます。

  4. 制御基板の小型化と部品数の削減

    従来型「ひかり103号」の製作で最もたいへんだったのが、部品をつなぐ配線の作業でした。そこで、新しい「ひかり201号」では、新しい世代のマイコンPIC16F628や、トランジスタアレイなどを活用して、可能な限り部品数を削減し、簡単に組み立てられるようにしました。

    結果的に、マイコンを含めてICが3個、コンデンサが5個くらいにおさまり、配線の手間も少なくなりました。基板の大きさも、数分の1にまで小さくなっています。

  5. 新しい名前をどうしようか……

    新機種の名前は、「のぞみXXX号」でもよかったのですが、それだと、光っているイメージが薄れてしまうので、「ひかり」の名前を引き継いで「ひかり201号」としてみました。でも、「ひかり201号」という列車は、今は走っていないというウワサもあります。

新機種「ひかり201号」では、赤外線リモコンの機能をフルに盛り込みます。リモコンを活用したおもちゃを考えている方には、参考になることがあるかもしれません。

作った物の概要

お知らせ

製作した自作交通信号機「ひかり201号」は、CQ出版社が主催している「ワンチップ・マイコン・デザイン・コンテスト 2005」に応募しました。


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製作・著作:杉原俊雄(すぎはら としお)
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