ポータブルCDプレーヤー「SL-CT500」レビュー--実用性はばっちり

2003年7月7日


私は7月5日(土)午後、新宿駅西口のビックカメラでポータブルCDプレーヤー「SL-CT500」(青)を買いました。

ビックカメラによれば、SL-CT500はポータブルCDの中で今いちばん売れている機種だそうです。8700円(税別、ポイント10%還元)という安さにもかかわらず、普通のCDに加えてMP3データの再生も可能で、さらに松下製でMade in Japanというわけだから、売れないはずがありません。さっそくいじりまくってみたので、分かったことをお知らせしましょう。

機器の仕様は予告なく変更されることがあります。ここに書いてあることと、現在販売されている機器に差異がある場合もありますので、あらかじめご了承ください。

買うまでの話--MP3ファイルも再生可能なポータブルCDプレーヤーが欲しい理由

ポータブル型のプレーヤといえば、MDプレーヤが有名です。実は、私は既にポータブルMDレコーダを持っています。

あらためてCDプレーヤが欲しいと思った理由は、こんな感じです。

  1. 借りてくるCDなどは、MDへ複写せずにそのままCDで聞きたい。
  2. パソコンに入っているmp3ファイルを、ファンがうるさいパソコンではなく、静かな家電で聞きたい。わが家では、パソコンとビデオデッキがつながっていて、気になる番組はパソコンで録音できる体制になっています。
  3. 据え置き型CDラジカセの音質が最悪(SONY製:ZS−D1)なので、CDをまともに聞ける機械がほしい。
  4. MDレコーダはとても高かったので、環境の悪いところには持っていきたくない。だからもう1台安いものがほしい。

松下製SL-CT500が特に欲しかった理由は、こんな感じです。

  1. 日本製です。低価格帯で日本製のオーディオ機器は珍しくなった気もしますが、やっぱり高品質はMade in Japanだと思います。ちなみに、日本製なのは本体とニッカド電池で、アダプタとリモコンとイヤホンは中国製と書いてありました。部品ごとにここまできちんと書いてあるパッケージは、珍しいです。
  2. 1万円を下回る価格。日本製のポータブルCDで、リモコンまでついていて8700円というのは、お買得でしょう。
  3. 単3電池を内蔵できるところ。多くの機種では「ガム型電池」という1本2000円くらいする電池が使われていますが、この機種は単なる単3電池なので、いざ旅先で切れてしまった時などは、充電しておいた別の充電式電池なり、アルカリ電池なりにすぐ取り替えられます。ガム型電池を使った機種にも外づけ乾電池ケースがありますが、取りつけると運びにくくなるので、あまり使いたくありません。

新宿にでかけて、ヨドバシカメラへ行くと9580円でした。ちょっと考えて、ビックカメラに行くと8700円!。余計に歩いて得をしました。ポイントが10%つくので、実質7830円で手にはいったことになります。

見た感じ--涙ぐましい合理化の跡かも

さっそく実物をお見せしましょう。外から見ると、本体はこんな感じです。上ぶたはプラスチックですが、少しだけメタリックに見えます。「mp3」というのがキラキラしていているところや、青いリングみたいなのが入っているところがポイントです。触り心地は、完全にプラスチックです。持ち上げると、とても軽い感じがします。

裏返すと、こうなっています。こちらも完全にプラスチックですが、上ぶたよりもしっかりした感じがします。上のほうが出っ張っていて、ここに単3電池が2本入ります。電池は、ディスクを取り外さないと取り替えられない構造になっているため、こちらの面からは電池ボックスのふたは見えません。

ちなみに、「重要 このシールをお買い上げの商品に直接お貼り下さい。」というのは、ビックカメラがつけてきたものです。このシールは「ビックカメラ」と書いてあるもう1枚のシールの上についていたのですが、こちらのシールに対する説明文なのかもしれません。だとしたら、「重要」と書いてあるシールそのものは、それほど重要でなかったりするのでしょうか。

ふたを開けると、CDがこのように寸法いっぱいに入ります。本体の大きさは、CDの直径よりも少し大きいくらいです。単3電池を内蔵している都合上、本体にはそれなりに厚みがありますが、それを利用してか、本体の側面にボタンがたくさんついています。

CDを取り除くと、このようになっています。灰色のプラスチックの本体には、奥のほうに電池ボックスのふたが見えます。 黒い部分はメカニズムです。ほとんどプラスチックばかりでできているように見えます。ピックアップの送り部分など、本当に必要な所にだけ、金属部品が使われているようです。とことん合理化を行った結果だとは思いますが、耐久性などはいかがでしょうか。

電池ボックスの中は、このように「スーパーニカド1000」という単3型ニッカド電池が2本入ります。この電池は、本体に付属しているものですが、「特定AV機器専用」と書いてあるところがポイントです。よく見ると、マイナス極の付近のビニールが、はがされた状態になっていることが分かります。ビニールが一部はがれた電池でないと、付属のACアダプタでは充電されないそうです。普通の充電式電池は、別の充電器で充電してからセットすれば、普通に電池として使えるようです。乾電池を入れても、充電できないだけで、普通に使えます。

回転軸と光ピックアップを拡大してみました。CDを押さえるつめは、プラスチック製です。ピックアップのレンズも、プラスチックなのかしら。この部分の耐久性が、プレーヤーの寿命を決めるような気がします。

こちらがリモコンです。とても小さなものですが、しっかりした作りになっています。押しやすいボタンは「再生・停止」の1つだけで、残りはやや押しにくい小さなボタンです。あと、HOLDスイッチもちゃんとついています。リモコンのボタンを押すと、液晶画面がオレンジに光ります。リモコンの先には、標準的なM3のステレオミニプラグのへッドフォンが差し込めます。本体へ向かうケーブルは、リモコンの根元で補強されています。こういうこだわりが、信頼の松下、といったところでしょうか。ただ、曲の進み・戻しのボタンがとても押しにくいです。指のひらでは反応しないので、確実に押すためには、つめを立てる必要があります。

リモコンの裏側です。個人的にシールを貼ってしまいましたが、洗濯ばさみみたいになっているので、服のポケットなどにつけるには便利そうです。洗濯ばさみの部分には、ちゃんとバネが入っているので、力をかけると割れるというようなことはありません。

こちらがイヤホンです。ほどよい軽さなので、装着感はまあまあです。音量をあげると、けたたましいほど大きな音が出るので、みだりに音量を上げないようにしたほうがよいでしょう。それなりに音漏れしますので、電車に乗る時は「電車ポジション」の機能が役に立ちそうです。

リモコンと本体の接続部分を拡大してみました。リモコンのプラグは極数が多い特殊なものになっています。本体に直接へッドホンをつけることもできそうですが、その場合は操作は全て本体のボタンで行うことになります。

ちなみに、この機種には携帯用のきんちゃく袋はついていません。今のところ、本体を直接手で持って運んでいるのですが、どうも落としたりしそうでいやです。本体が真ん丸なので、つかみどころがありません。どこかでいい袋を売っているといいのですが。上位機種では、きんちゃく袋が標準でついてくるらしいです。

この機種は、松下としてはSL-CT500、SL-CT700、SL-CT800、SL-J900などの商品群としては、最もローエンドに属しています。 いわゆる低価格モデルなので、どこでコストを省くかがみどころです。 使ってみると、こんなことが見えてきました。

割りきってコストダウンした所

こだわった所

使い勝手--高性能。ボタンがちょっと固い

ボタン1つで再生スタート!

ディスクと入れて、再生ボタンをポンと押すと、ディスクのサーチが始まります。

音楽CDでも、MP3のデータCDでも、使い方としては単に再生ボタンを1回押すだけでかわりません。

90曲入っていた私のCD-ROM(MP3)では、再生ボタンを押してから8秒弱でサーチが終わり、音が鳴りはじめました。

MP3ファイルのサーチは、思っていたよりも速く、MDプレーヤがTOCを読み込むのとそれほど変わらない感覚です。音楽とは関係のないファイルが大量に入ったディスクと使うと、1分とか時間がかかることもありますが、待てばちゃんと動きます。

パソコンと比べると、ディスクを入れてボタンを1つ押すだけ、というところがとても簡単でいいです。これ以上簡単にすることはできない、というくらいです。特に、スイッチを入れてから音が出るまでの時間は、パソコンと比べて圧倒的に有利です。

ちなみにMP3ファイルとCD-DAのトラックが両方あるディスクを入れた場合は、ディスクの内側に記録されたほうだけが再生できるそうです。マルチセッションのCD-ROMは使えるけれど、パケットライトはだめだそうです。

目的の曲にたどりつくまで

MP3では、1枚のディスクに100曲とか平気で入っている場合があるので、聞きたい曲にたどりつくまでがたいへんな場合があります。この機種では、ディレクトリを「アルバム」とみなして、アルバムごとに「1」「2」「3」といったぶっきらぼうな番号がつきます。ディレクトリの名前は分かりませんが、ディレクトリの名前が辞書に載せる順番で「1」「2」「3」のような番号におきかえられているので、何番がどのディレクトリなのかが分かります。

ディレクトリの中のMP3ファイルも、辞書順に「1」「2」「3」のようなトラック番号として表示されます。

パソコンの場合は、ファイル名をマウスで選べるのですが、こちらは家電ですので、ひたすらを押して1曲ずつ進めることになります。

を長押しすると、ディレクトリ(アルバム)の単位で送り・戻しができるので、ディレクトリ(アルバム)にきちんと分けて保存しておけば、それなりに快適に使えます。

ところが、曲を探す操作には困ったことがあります。

  1. いったん停止してからを押すと、1曲めか最後の曲からしか検索できません。例えば100曲あるディレクトリの50曲めを再生している場合、停止を押してしまうと、51曲めへ行くためにはを51回押しまくらなければいけません。

    そのような場合は実際には、停止してからすぐにもう一度再生ボタンを押せば、50曲めが最初から演奏されるので、それからを押せば、現在聞いている曲の次/前の曲/ディレクトリへ移動できます。ただ、ボタンを押すたびにディスクアクセスがかかるので、操作への反応がややにぶくなる傾向があります。

    曲のアクセスそのものは、かなり速いです。MDに匹敵するアクセス速度なのではないでしょうか。

  2. リモコンののボタンは、押しにくいです。

    これがそうなんですが、固いので、指のひらで押しても指がくぼんでしまって、なかなか押せません。つめを立てれば押せますが、あまり快適ではありません。本体にも同じボタンがありますが、こちらもやや固いので、本体を両手で持たないと押せません。本体のほうは、誤って押してしまうことを考えれば、ボタンを固くするのは仕方のないことでしょう。

    松下製品は、ボタンを固くすることで、ボタンを長持ちさせたいというポリシーを持っているのかもしれませんが、予算があればリモコンのボタンを大きくして、故障しにくさと操作のしやすさを両立させてほしかったところです。

    予算の都合で「使いやすいけれど壊れやすいもの」と「壊れにくいけれど使いにくいもの」のどちらかを選ぶ必要に迫られた場合には、個人的には壊れにくいほう(使いにくいほう)を選びます。設計者もそういう人だったら、別にそれでいいですけれど。

早送りできないMP3、一時停止できないリモコン

なぜか、MP3を再生している間は、少しずつ進めたり戻したりの「早送り」が全くできません。松下の製品では、800型や700型でも実現していません。ドラマを録音した場合などは、聞き逃した部分があって少し巻き戻したい場合でも、もういちど最初から聞くしかありません。 CDを聞く時には、ちゃんとサーチ(早送り)が機能します。MP3にもつけてほしい機能です。

また、いったん停止させてしまうと、次に再生する時は、再生していた曲の頭まで戻ってしまいます。そのため、25分の番組を22分まで聞いて、急に電話がかかってきて止めてしまった場合などは、最後の3分を聞くためには再び最初の22分を聞き直すしかありません。MP3で録音したドラマや語学番組を聞くには、あまり向いていないのでしょう。1本5分以内の音楽を聞く用途に割りきるべきなのでしょうか。止めた所から再生するレジューム機能は、つけるべきでしょう。

ちなみに、リモコンには一時停止のボタンがありません。リモコンでは、再生と停止ボタンが一体化していて、一時停止がありません。一方で本体には、再生と一時停止が一体化したボタンと、停止ボタンがあります。再生中に、本体の一時停止を押せば、MP3でもCDでもちゃんと一時停止するので重宝します。いったん停止させると、最初から聞くしかない機種では、一時停止の機能は重宝します。一時停止のボタンは、リモコンにもつけるべきだったでしょう。「MEMORY」ボタンなどは、リモコンにはいらないと思うのですが、これを一時停止と置き換えてはいかがでしょうか。

あるいは、再生ボタンにレジューム機能をつけて、以前止めた場所から再生を始めるようにすれば、再生/停止ボタンを使って一時停止と同じことが実現できるようになるので、いちばんいいような気がします。曲のはじめから聞きたければ、再生が始まってからで巻き戻せばいいだけですから。

ビットレートの対応が幅広い

取り扱い説明書には、MP3は32kHz、44.1kHz、48kHzのみに対応しているように書いてありますが、実はもっと幅広いビットレートに対応しているらしいことが分かりました。手元にある「11kHz、16kbps」のファイルが何の問題もなく再生されています(動作保証外ですので、再生できないファイルもきっとあると思います)。

ステレオでもモノラルでも、どちらとも再生できるようです。

音飛びは、全くしません。パソコンよりも、はるかに高信頼な再生環境であるといえましょう。

ACアダプタを抜くと電源が切れる

ACアダプタが差し込まれた状態で再生している時に、アダプタを本体から外す(アダプタをコンセントから外しても同じ)と、本体に電池が入っていても、いきなり電源が切れます。電源は、自動的には電池に切り替わらないようなので、要注意です。録音機能がないので、それほど問題にならないことかもしれませんが、MDレコーダではアダプタから電池への自動切り替えは当然の機能だっただけに、ちょっと驚きました。アダプタを外してから再生ボタンを押せば、再び聞いていた曲の頭から再生が始まります。

MP3は、曲の間で必ず止まる

曲によっては、2つのトラックが全く休みなく続けて演奏されるものがあります。例えば、ベートーベンの「運命」という曲の第3楽章と第4楽章は、別々のトラックですが、演奏は続けて行います。「運命」のCDを聞く時は、確かに第3楽章と第4楽章は、つながって演奏されるのですが、MP3に変換すると、第3楽章と第4楽章の間でディスクアクセスが入ってしまい、演奏が止まってしまいます。MP3では、曲と曲の間の休み時間を必ず必要とすることに注意が必要です。CDの場合は、曲間の休み時間がディスクそのものに記録されているので、プレーヤはその休み時間に従って、休んだり休まなかったりしているようです。

指定の充電式電池以外は本体では充電させない安全設計

本体に添付された充電電池は、取り出さなくてもACアダプタをつなげば充電できます。他の電池も充電できれば、単にCDプレーヤとしてだけではなく、充電器としても使えそうだったのですが、本体に添付された電池以外は充電できないような仕組みになっていました。間違って乾電池を充電してしまわないための安全設計だと思われますが、よく考えられています。

電池を使いきらない状態で充電しても、「メモリ効果」による性能の悪化が起こりにくい設計になっているので、日常の使用では、帰ってきたらとりあえず充電してしまえるので、とても扱いやすくなっています。

本体添付品以外の充電式電池は、別の充電器で充電すれば使えます。手持ちの充電器があるので、別のメーカーのニッケル水素電池を購入しておきました。

ところで、電池の交換はCDを取り外さないとできないので、ちょっと不便です。 電池ボックスは、本体の底面から開けられるようにしたほうが、扱いやすいと思うのですが、いかがなものでしょうか。

アダプタのありなしで2つの運転モードがある

CDのメカニズムは、電池だけで駆動している場合と、ACアダプタで駆動している場合とで、異なった動作をしていることが分かりました。

ちなみに、アダプタのありなしとは別に、音飛び防止メモリの圧縮機能を入/切する機能がついています。圧縮による音質劣化を嫌う場合には、音飛び防止の時間を10秒程度まで縮めることで音質を高めることができるようになっています。こういう選択肢がユーザにあると、個人的にはとても楽しいです。いまだに、圧縮のありなしによる音質の違いは感じられませんけれど。

シンプルなリモコン表示は必要十分

リモコンの表示は、こんなふうになっています。

再生中は、トラック番号と演奏時間を表示しています。停止中は、MP3の場合はアルバム番号(ディレクトリの番号)とトラック番号を表示します。電池の残量表示があるのがうれしいところ。

何かボタンを押すたびに、オレンジに光ります。本体のボタンを押した時と、リモコンがHOLD状態になっている時は光らないようです。

EQキーを押し続けると、リモコンをおした時に出る「ピッ」という音を出ないようにできます。「ピッ」という音は、出るたびに音源の音をかきけしてしまうので、特に音量調整の時などはじゃまに思えるものです。

操作音について、「音量調整で音が途切れる」と、さながら不具合のように書いている新聞社のレビュー記事がありましたが、それは誤りで、実際にはボタン操作により操作音を止めれば、音は途切れなくなります。

聞くだけならパソコンよりも使えそう

パソコンで音楽を聞くと、冷却ファンからものすごい音がするので、音楽の雰囲気が台無しになることがよくあります。編集はパソコンでもいいけれど、あとは、家電で聞いたほうが、便利だし快適な時代になってきました。

特に、パソコンは数十ワットから数百ワットも電力を消費するので、ポータブルCD(ACアダプタ駆動で3ワットくらい)で聞いたほうが、環境にはやさしいです。

音質--いいんだけどホワイトノイズが少々

CDもMP3も同じくらいに聞こえる

オーディオ機器で一番大切なのが音質ですが、価格相応なのだろうか、というのが正直な感想です。

MP3の音質は、低音から高音まで、ストレートにはっきり聞こえるし、こもった感じがしないので、さすがはオーディオ機器だと思います。

CDを再生しても、MP3を再生しても、私の耳には違いが分かりませんでした。MP3ファイルには128kbpsのものを用意したのですが、何の違いも感じられませんでした。

パソコンのサウンドカードにイヤホンをつけても、おおむねこのプレーヤと同じ程度の音質で聞こえます。パソコンのほうは、冷却ファンがあるぶん聞いている環境に騒音が加わるので、電気的には音質が悪くなくても、総合的には見劣りする再生環境となってしまいます。

音量を「1」にした時の音が大きすぎるような気がする

眠れない夜にCDを楽しむ、というようなことを私はよくするのですが、音量を1にしても、やや音が大きい気がします。

もう少し、小さな音が出るようになっていると、夜にも楽しめるのですが、いかがなものでしょうか。

ディスクからデータを読むたびにノイズが乗る

音楽CDでもMP3のディスクでも、再生中には少しノイズが聞こえます。 ノイズの大きさは、ディスクから音声データ読んでいる時に大きくなります。

ACアダプタがつながっていない状態では、メカニズムは音声データを読んだり休んだりを繰り返すので、曲の途中でもノイズの大きさが変わり、気になることがあります。

ノイズは、音量調整にかかわらず同じ大きさに聞こえます。音量を0にして、音源からの信号が聞こえなくなっても、同じようにノイズが乗ります。アンプの周波数特性よりも、アンプの電源などが、メカニズムの回路で発生する雑音の影響を受けているようにも思えます。

ノイズの大きさは、都会で外出中であればまずは気になりません。しかし、夜ふとんの中でゆっくりとクラシックを聞いている時などは、ノイズの存在がとても気になることがあります。特に、ベートーベンの「運命」だと、第3楽章でとても静かな場面があるので、雰囲気を壊してしまいます。

アダプタを差すと、いつもディスクから読み取り続けるので、ノイズの大きさは一定になります。

手持ちのMDレコーダ(シャープ:MD−MT770)では、このようなノイズはほとんど発生していないので、やはり価格相応の音質しか出せないのだろうか、と思います。

アンプそのものの性能はよさそうなので、ディスクへのアクセスがもとになっていると思われるノイズは、いまいち残念なことでした。 上級機種では、このようなノイズはでないのでしょうか。 カタログを見ても、周波数特性の違いは書いてあるものの、へッドフォンで聞いた場合のホワイトノイズについての記述はありません。

高い機種は、安い機種よりも音がよいのであれば、そのことをカタログなどにはっきりと書かないと、消費者が本当に欲しい機種を手に入れられなくなってしまいます。私の場合、ノイズがもっと少ない機種があれば、他のにしていたかもしれません。

この機種でも、外を歩きながら聞くには十分な音質だと思うので、実用性の面では問題のない品物だとは思います。

ちなみに、耳をすましていると、リモコンのLEDがついたり消えたりする瞬間にも、少しだけノイズが発生しています。オーディオ回路の電源に、高周波特性のよいコンデンサを増設するなどの工夫をすれば、もう少し音質がよくなるような気もするのですが、いかがなものでしょうか。

再生速度が若干速いような気がする

MP3ファイルの再生速度が、少しだけ速く行われているようです。ストップウォッチを用意して、再生時間の表示と、ストップウォッチの表示を比べてみたところ、ストップウォッチが15分00秒を示した時点で、リモコンの表示は15:03になっており、15分あたりで3秒ぶん程度速く再生していることが分かりました。

再生速度の誤差が+0.3%程度もあることになるので、デジタル機器としてはやや不思議なことだと思います。だけど、こういうことって、実際に測ってみるとよくあることです。家電の設計は、放送局用の機器とは少し発想が違っているのでしょう。

まとめ

ここに満足

ここが不満

このようなことから考えると、この機種は、高度な機能や音質を求めずに、手軽にCDやMP3を聞きたい人向けだと思われます。 音質はまあまあ、機能はそこそこで、価格は安いので、気軽に購入できます。 ただ、もっと末長く付き合える物とするためには、ノイズの低減など、さらなる改良が必要だと思われます。

とはいえ、この価格でこれだけがんばってくれたのは、たいしたことだと思います。今どき、MP3再生機能やニッカド電池、液晶リモコンなどがついて、日本製で8700円の小売価格を実現していることは珍しいですし、動作が極めて安定しているため、数年はつきあえる品物だと思います。

メーカーへの要望

まずは、上記の不満点を解消するよう努力してもたいたいです。 場合によっては、コストが増えるために実現できないこともあるかと思いますが、高級でないけれどもしっかり使えるというこの機種には、大きな存在意義があるので、その方向性をさらに極めてほしいところです。

もう1つ望むことは、音質の違いなどは、カタログの中ではっきり書いてほしかったということです。 機種ごとの得意不得意をはっきり伝えてこそ、私たちは本当に欲しい機種を手に入れることができます。 思ったよりもノイズが多く乗っていて、くやしい思いをしたりするのには、悲しいものがあります。 複数のモデルを出している場合は特に、互いに何がどう違うかをもっと分かりやすく示してほしいものです。

やってみましょう

ちなみに、取り扱い説明書の6ページには、「CD-ROMフォーマットのデータと通常のオーディオデータ(CD-DA)が1つのCDに入っている場合、内周に入っている方のみ再生します。(同時には再生しません。)」という記述があります。「同時に」と言われても、2つのソースが時間的に、同時に鳴るはずがないでしょう。「外周に入っているほうは、再生できません」と書いたほうが、意味が通じると思います。また、「再生します」よりも「再生が可能です」と書いたほうが、より意味が明確になると思います。いかがでしょうか。


関連情報



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製作・著作:杉原俊雄(すぎはら としお)
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