2002年10月13日
私がインターネットと出会ったのは、学校です。大学の情報教育を行っているセンターには、常時インターネットにつながった端末がたくさんあります。
建物が開いている間は、ずっと自由に使わせてくれるのですが、学校の機械ということで、まわりにも人がいて、人の目が気になったりして、なかなか趣味のサイトへ突っ走ることができません。
自分だけの部屋で、インターネットを楽しみたい!そんな時にあらわれたのが、ADSLというサービスでした。
家でインターネットをやるといっても、その方法はさまざまです。携帯電話の画面でやるとか、パソコンにアナログモデムをつけてダイヤルアップするとか、光ファイバーを引くとか、選択肢は山のようにあります。
迷ったなら、まずはニーズをはっきりさせることが大切です。私の場合は、こんな感じです。
「サーバを立てて」というあたりは、自分がLinuxユーザだからでしょうか。価値ある情報など持っていなくても、情報発信という甘い言葉に誘われて、駄文を書きまくる自分。危ないなあ。
一方で、ブロードバンドコンテンツと称した有料コンテンツには、まだ興味 がありません。なぜなら、
さて、こんな私が選んだのはADSLでした。これならつなぎっ放しにできるので、ウエブは好きなだけ見られるし、サーバ遊びもできそうです。光ファイバーと比べれば遅いですが、アニメや映画を見るわけでもないから、いいです。
毎月数千円かかるのはつらいですが、がんばって稼ぐしかありません。
ADSLをやってる会社は、けっこう選択肢があります。電話会社系の所から、ADSL専業の企業、はたまた家電量販店までやってます。
私は、こんな感じで事業者を選びました。
まとめれば、ISPサービス(メールやWebサーバ)には期待せず、ひたすら安い所を探す、ということです。
そして、あまり考えずにYahoo!BBに決めてしまいました。
Yahoo!BBの宣伝ページには、「サポートが悪いって言われているけど?」という記述があります。サポートの改善を宣伝するような内容ですが、サポートの悪さをわざわざ認める彼らってなんだろう?なぜか興味がわいてしまいました。
Yahoo!BBの特徴をあげれば、こんな感じです。
最後のうわさは、自分で確かめる以外にありません。
12Mサービスと8Mサービスがあり、料金が月額数百円ほど違っていますが、ニーズに照らし合わせ、迷わず8Mサービスを選びました。回線が速くても、それに見合ったコンテンツが期待できないからです。
Yahoo!BBでは、「10営業日がんばります宣言」と称して、申し込んだらすぐつながるようなことをうたっています。はて、本当でしょうか。私の場合はこうなりました。

多くの公共サービスでは、料金の口座振り替えを銀行で行いたい場合は、サービス会社の書類に判子をおせば、その会社が銀行に連絡して処理してくれます。
ところが、Yahoo!BBの場合は、まずは利用者の側が銀行に連絡しなければいけません。某都銀のサイトへつなぎ、説明を眺めます。
この手続きは、印鑑も通帳もない状態で、銀行のウエブサイトを開くだけでできるのですが、「暗証番号」の入力を求められたのには驚きました。
インターネットで暗証番号を打ち込めば、それで支払いの意思とみなされるだなんて、初体験です。そこまでネットを信用していいのか、ちょっと怖かったです。
手続きが終わると、1通のメールが届きました。それによると、「まだ利用できません」とのこと。銀行からYahoo側に情報が伝わるまでには、数日かかるそうな。
まだ、Yahoo側にはADSLの申し込みに入れない状況。それが「数日」続くなんて、変な話です。ちなみに、Yahoo側から確認のメールが届く前にADSLを申し込もうとしたところ、見事にエラーで弾かれました。このあたりで、分からずにやみくもに操作すると、泥沼にはまるかもしれません。

9月24日の夕方、「Yahooウォレット」さんからメールが届きました。ADSLの料金を銀行から払うためには、「Yahooウォレット」に登録しなければいけないみたいだったから登録したのですが、この「Yahooウォレット」は、Yahooで買い物をする場合の支払い方法でもあるようです。
ADSLサービスの料金だけ、銀行口座から払いたかったのに、余計なものを抱き合わせさせられてしまった感じです。ADSLの料金以外には使ってあげないぞ、ということにしておきましょう。

このメールが届いて、やっとADSLに申し込めるようになりました。NTTの領収書を用意して、申し込みフォームへ向かいます。
まずは、住所やら電話番号やらを写し書き。住所は、戸籍の正しいやつよりも、NTTの請求書に書いてあるやつのほうを書いたほうが、話が早いと思われます。ADSL事業者とNTTとが情報をやりとりするわけですから。
IP電話サービスは、必ずついてくるみたいです。これも抱き合わせ。まあ、基本料金は取らないみたいだから、試しにいじってみる程度にしましょうか。なんか、何かと抱き合わせるのが好きな事業者だなあ。
入力の項目は、思いのほか多いです。「セキュリティーキー」とかは、忘れると危なそうですし。いったん、入力フォームを印刷して、1つ1つの記入内容を、鉛筆をにぎってじっくりと考えてから、本番の入力を行ったほうがいいかもしれません。
私が申し込んだのは、ADSLの8Mサービスで、モデムはレンタル利用としました。IP電話の発信番号通知は、やめておくことにしました。通話明細の番号記録は・・・、プライベートなことなので公表いたしません。

申し込みを行うと、工事の進捗状況を説明するWebページが、Yahoo!BB上に作られます。ユーザ名とパスワードを使ってログインすれば、いつごろ開通するかの目安が分かるようになっているのです。
申し込み後にすぐ現れるステータスが、NTT回線調査依頼準備中のステータスで、これは、Yahoo側が私のNTT回線がADSLに対応できるかをNTTに調べてもらうための準備をしている、という程度の意味でしょう。
しばらくすると、NTTへの調査依頼が行われ、NTTからの回答待ちになります。局舎までがメタルケーブルであれば合格ですが、そうでなければ断られてしまうのでしょう。
9月27日の昼ごろになって、Yahoo!BBからメールが届きました。それによると、NTTによる回線調査が無事終了し、10月1日に工事をする予定だとのこと。10月の初めから使えるようになるのかしら。
メールには、モデムの発送についても書いてありました。工事予定日までに、宅配便で届けてくれるそうです。果たして、どんなモデムが届くのかしら。

日曜日の朝ということで、ぐうぐう眠っていたら、突然「すぎはらさーん!宅急便でーす!」の声。まさかと思いつつ、ふとんからはい上がって出ると、「ヤフーさんからです」とのこと。メールから2日後の朝9時ちょっと前のことでした。「朝早くからすみません」なんて言われちゃったけれど、寝顔のパジャマ姿だったからかしら。ふあー。でも、待望のモデム到着で一気に目が覚めました。
渡された小さい段ボール箱を開けると、中から出てきたのは黒いプラスチックのキャビネットの、やや安っぽい感じの箱でした。後ろ側に5つくらい端子があって、前面はランプだけ。上側は通気孔があって、ななめから見ると、基板がちょっと見えます。上面に開いている部分があると、基板にほこりがつきやすそうなので、ときどき掃除機を押し当ててやる必要がありそうです。

説明書がいくつかついていました。冊子というよりは、単なるコピー用紙程度のもので、なんだか頼りないです。モデムの消費電力とかも、書いてありませんし。
あれ、これって12M用のモデムじゃん!。「12Mトリオモデム」を送りました、との案内書きを発見。契約を間違えて送ってきたのか!とあせりかけたものの、同じ用紙に、8Mでの契約者のモデムレンタル料金は8Mの料金表のとおりになる、とあったので、どうやら8Mで契約を結んだ利用者にも、12Mのモデムを送ってきているみたいです。「いっそうのこと、8Mの料金で12Mのサービスしてくれ」なんて思いたくなりますが、いかがなものでしょう。
ちなみに、モデムにはこんな付属品が付いていました。
私のように、パソコンと電話機が1台ずつの構成(下のイラスト)であれば、自分でケーブルを用意する必要はありません。借り物だけでつながりました。

局舎側の工事がまだなので、とりあえずはACアダプタは差さずに、ケーブルだけつなぐことにしました。モデムの大きさは、電話機と同じくらい。モデムにスプリッタが内蔵されているので、思いのほかすっきりとした配線になりました。しかし、この構成だと電話機からの発信は、IP電話モデムを必ず経由することになるんですよね。IP電話の抱き合わせビジネス、恐ろしや。

アダプタを差さなくても、電話だけはちゃんと使えました。停電時にも、電話線をつなぎかえなくてよさそうです。IP電話の動作がおかしくなった時は、アダプタを抜けばNTTでつながるんだろうなあ、とさっそくトラブル時の自衛策を思いつきました。
ちなみに、モデムのACアダプタは、すごく特殊なものが使われています。AC-ACアダプタというやつです。交流100Vを入れると、電圧を下げた交流が出てくるというもの。たいていモデムなどの精密機器は直流電源で動作するのですが、このモデムでは、なぜか交流のままの電力がアダプタ端子からモデムへ入ります。ファミコンもプレステも留守番電話も、みんな直流出力型(ACーDC)のアダプタなのですが、不思議ですね。

10月1日午前0時、さっそくモデムのACアダプタを差し込んでみたのですが、だめです。「リンク」のランプがつきません。工事予定日が今日だからといって、まさか0時から使えるはずがありませんよね。
あきらめて寝て、目が覚めたのが午前8時過ぎ。再びモデムを見ると、「リンク」が点灯しているではありませんか!さっそくPCを立ち上げると、既にインターネットにつなげる状態になっていました。しかし、IP電話の利用可能を意味する「BBPHONE」のランプは消えたままです。こちらはまだ、未開通なのでしょう。
さっそくPCの設定なのですが、Windows 98のほうは、モデムに付いていたペラペラ紙の説明書のとおりにやれば、すぐ使えます。付属のCDを使う必要もないでしょう。
問題はLinux、と思いきや、あっけなくつながりました。学校で使っているLinuxマシンと同じように、次の設定をしておけば、すぐにつながりました。
LANアダプタがLinuxに認識される状態にします。たいていは、PCに差し込んで次に起動したときに、勝手に認識されて設定画面が現れます。
起動時にeth0というインターフェースが表示されない場合は、LANカードがOSに認識されていない可能性が高いです。kudzuというソフトが、利用可能な新しいハードウエアの設定を勝手にやってくれますので、起動時にkudzuが有効になるように設定して、再起動してみるとよいでしょう。
「DHCP」を使ってIPアドレスを取ってくるように設定します。私が使っているVine Linux 2.1.5では、netconfというツールで簡単に設定できました。
Yahoo!BBのインターネット接続では、PPPoEの認証がないので、接続IDやパスワードが必要ありません。そのため、特にソフトを入れなくても、すぐにつながるようです。通信料が定額制なので、接続にパスワードで制限をかけても、意味がないということなのでしょう。
Linuxでは、起動時にネットワーク接続の確立に失敗することがあります。DHCPサーバからIPアドレスをもらえずに、押し黙ってしまうことがあります。失敗しても、起動後に手動でつなぎ直せば使えます。このトラブルは、学校でLAN接続をしていた時にも起きていたので、Yahoo!BB側の問題ではないと考えています。
ちなみに、ここでいう「つなぎ直す」とは、私が使っているVine Linux 2.1.5では、次のような操作をいいます。Vine Linuxは、Red Hat Linuxをもとに作られているので、同じような操作が使えるLinuxが、他にもあるかもしれません。
まず、rootでログインします。
コンソールで、次のように入力します。
/etc/rc.d/init.d/network restart
いったん、イーサネットeth0が終了し、すぐに再び立ち上がります。うまくいけば、DHCPサーバからIPアドレスを受け取って、ネットワークにつながります。
コンソールで、
/sbin/ifconfig
と入力して出てくるインターフェース一覧の中に、eth0という項目があって、IPアドレスが表示されていれば、そのIPアドレスでネットワークにつながっています。
なお、打ち込むコマンドが、ここで書いたディレクトリにない場合は、全く意味をなさない結果しか得られません。
Yahoo!BBのネットワークは、局舎側では、モデムを介してスイッチングハブに直結しているとのうわさがあります。そうだとすれば、Windowsでは「ネットワークコンピュータ」「マイネットワーク」から近くのパソコンのファイルが読めるという機能が働いて、同じ局舎のユーザであれば、互いにファイルが読み書きできてしまうことがあるそうです。となり近所はお友だち、ということでしょうか。迷惑な機能です。ファイルとプリンタの共有を止めておくか、そういう機能を実現しているコンポーネントそのものをアンインストールしたほうが、無難なようです。
というか、インターネットでは、暗号化しない通信は、基本的には誰が盗聴していても不思議ではないと思って使ったほうが、よさそうです。
ネットワークからは、ウイルスなどの攻撃がたえずやってきます。インターネットにつながったら、Windowsは、まずはひたすらWindows Updateをしました。こういう時に、数メガバイトのファイルをさくさく落とせるのは便利です。ちなみに、Linuxに立てたWebサーバへは、バックドアを求めてウイルスが殺到中です。Linuxのウエブサーバでは、通常、exeファイルは実行できないのですが、ログにはexeファイルへのアクセスが大量に残っています。
ネットに接続するたびに、自分のIPアドレスは変わるようです。このアドレスは、グローバルアドレスのようです。おまけに、マシン名もつきます。この名前は、DNSに登録されているようで、正引きも逆引きもちゃんとできます。名前がむしょうに長いのは、中にIPアドレスが全部入っているからです。
なぜか、学校とtracerouteすると、間にプライベートアドレスのマシンを通っています。
通信速度ですが、遅いです。Linuxから、高速なFTPサーバと通信(ダミーファイルのやりとり)してみたところ、上りは663kbps、下りは1281kbpsとの結果を得ました。

NTTの局舎までの損失が37dBあったのが響いたのでしょう。Yahoo!BBで用いられている通信方式が、日本のISDNの影響を考慮しないものだという点も、効いているのかもしれません。
こちらのモデムが12M対応でも、局舎側のモデムは旧式なのでしょう。上りはそれほど悪くないので、上りの帯域も下りに使う12Mサービスにすれば、上りと下りを合計した2Mbpsくらいは期待できるのかもしれません。でも、この速度でもWebとメールだけなら十分すぎる性能です。はじめに決めたニーズを満たしているので、合格といたしましょう。上りの速度が案外よいので、サーバ用途にも悪くない性能だといえましょう。
というか、私のマシンはK6-2の300MHzなのです。これくらいのマシンなら、これくらいの速度で十分だと思えるでしょう。

インターネットがつながってからは、起きたらインターネット、寝る前にインターネットと、さながら歯磨きのように自宅でのインターネットが習慣化しました。
しかし、BBPHONEは未開通。Yahoo!BBのサポートにメールを出してみると、このごろは新規加入が殺到しているので、インターネットにつながっても、しばらくはBBPhoneが開通しないことがある、とのことで、いつ使えるようになるかは不明でした。メールの返事は、出した翌日に届きました。対応の速さは合格ですが、開通日の目安くらいは教えてほしかったなあ。
IP電話のことを忘れかけた10月9日の朝、起きてモデムをちらっとみると、いつもよりランプが1つ多くついているではありませんか。見ると、BBPHONEランプ。おそらく、今電話をかければ、それはもうIP電話です。

その日の夕方、試験通信ということで、電話機をプチプチダイヤルしてみました。 「もしもし、聞こえますかあ」「うん、聞こえるよ」「ちゃんと?」「いつもと声違うね」
つながる前に「プププ」と鳴る以外は、単なる電話です。相手の声がいつもより大きく、少し割れた感じになってはいるものの、声ははっきりしていて、遅延も少なく、とぎれることもなく、普通に話せます。
電話機からダイヤルして、相手につながって話せるのは当たり前といえば当たり前なのだけれども、それがIP電話でつながっているというところが、たまらなく新鮮な感覚です。
相手は普通の電話(ADSLをやっていない)でしたが、普通に電話が鳴って、普通に話せたそうです。今度は、相手もIP電話になっているところにかけてみたいものです。
ちなみに、このIP電話では、電話番号の前に「0033」のような事業者識別番号をダイヤルしても、それを無視してIP電話で接続してしまいます。抱き合わせされたIP電話機能って、けっこうでしゃばりなやつです。
通話品質は、普通の電話より少し低く、携帯電話よりはましなレベルで、実用性は問題ないでしょう。通話料が3分7.5円というのはいいですね。長距離電話の時などは、便利に使わせていただきましょう。しかし、いつもいつでも品質が安定している保証はなさそうなので、おかしいと思った時には、モデムのアダプタを抜くのが正解でしょう。モデムからカチッと音がして、すぐにNTT回線に切り替わります。
一度アダプタを抜いてしまうと、再び差し込んでからBBPHONEが使えるようになるまで、数分かかります。電話をかけるたびにアダプタを差すような使い方は難しいでしょう。頻繁に電話をかけるのであれば、アダプタは差しっ放しでもよさそうですが、でかける前などは抜いたほうが電気代が節約できてお得です。モデムの上面はけっこう熱くなるので、それなりに電力を消費しているようです。計測器の準備ができたら、詳しく計ってみたいところです。モデムの消費電力の値は不明です。どこかに明記すべきだと思うのですが。
開通してからずっとインターネットのほうは、下りは1.3Mbps程度、上りは600kbps程度で、安定した通信が続いています。いつでも好きなだけインターネットを使えるというのは、本当に便利なことです。
久しぶりに、工事状況のページを見ると、おや、私のYahoo!BB開通日が「2002/10/03」になっているではありませんか!
正しくは、インターネットの開通が10月1日で、BBPhoneの開通が10月9日です。なぜ3日なんだ?あの日は、モデムのBBPHONEランプは消えていたはずなのに。
とはいえ、こういう開通日の細かい議論は、それほど意味がありません。2か月無料キャンペーンということで、10月と11月は、インターネット接続は課金されないからです。逆に、開通日から課金ということになると、トラブルになったかもしれません。
無料キャンペーンというのは、純粋にキャンペーンというよりは、開通日になってもサービスが完全に使えない場合のトラブルを防ぐための、自衛手段になっているのかもしれません。
Yahoo!BBの「12Mトリオモデム」からは、電源が入っている間は、こんな音が聞こえてきます。小さな音なので、静かな夜に耳を傾けなければ分かりませんが、「シー」という高いノイズのような音が聞こえてきます。モデムには、冷却ファンはついていないようですが、果たして何の音なのでしょう。ちょっと聞いてみませんか?
かすかに、虫の声が入っているのが分かりますか。モデムからの音は、本当に小さな音なので、窓の外から聞こえる虫の声が聞こえるくらいに静かな場所でないと、聞き取れません。
異常や故障ではないと思いますが、いったい何の音なのでしょう。