衆議院議員選挙(2017年) 比例代表 東京都選挙区 希望の党の政見放送テキスト

2017年10月16日


テレビで流れていた政見放送の内容を、テキストにしてみました。2017年10月に投開票の衆議院議員選挙で、比例代表(東京都選挙区)、「希望の党」の内容を収録しています。なお、政治の演説の著作権には制限があるため、このように公開しても問題ないらしいです。

N「東京都選挙区、希望の党の政見放送です。お話は、希望の党代表、小池百合子さんと、弁護士の、松沢かおるさんです」

松沢「みなさん、こんにちは。弁護士の、松沢かおると申します。小池さん今日は、よろしくお願いいたします」

小池「よろしくお願いいたします」

松沢「小池さんとは、東京都の、未来ビジョン懇談会の委員を務めさせていただいたのがご縁で、その後、いろいろな問題について、議論をさせていただくようになりました。それにしても、このたびの希望の党の結党、大きな決断をされましたよね。今回、何が一番小池さんの背中を押したのでしょうか?」

小池「はい。やっぱり、今こそ、改革を進めるチャンス。このチャンスを逃しては、これから日本は大丈夫か、そんな思いがあったことです。日本は今、戦後で二番目の好景気、経済指標はそのように伝えているんですけれども、実際にその好景気実感している方、どれくらいいらっしゃるんでしょうか。松沢さんいかがですか?」

松沢「いやあ、正直、景気がよくなったという実感は、全くないです。今後の日本がどうなるのか、自分たちや、子どもの将来についても、とっても心配です」

小池「まあね、おそらく、多くの方々、松沢さんと同じ感覚じゃないでしょうか。老後の備えは大丈夫なのか、正社員になれない、低所得で結婚、出産になかなか踏み切れないといった、まあ、あらゆる年代で不安を抱えていらっしゃると思うんですね。えー、そして、これまでは、まあ日本っていうのは、まあ、少しずつよくなればいい。現状維持ばかり続けてきたわけですけれども、今鳥の目で世界見ますと、日本のこの縮小っていうのはたいへん、大きな問題になっています。例えばわたくしキャスターをしていた頃の90年代、バブル経済の影響で日本企業は勢いがあった、輝いていた。ところが2000年代に入りますと、中国があっという間に経済力をのばしました。で、時価総額ランキングを見てもですね、中国企業の存在感が、ほんと大きくなりました。そして今どうなっているか。IT市場が世界を席巻する。これはすなわち、アメリカ企業の独壇場ということなんですね。日本はどこへ行っちゃったんでしょうか」

松沢「世界経済が、この25年間で、大きく動いてきたのに対して、日本経済は、停滞を続けていたといっても、過言ではないですよね」

小池「そうなんですね。例えば、社会の担い手である女性。女性の活躍もそうなんですね。女性の社会進出、この安倍政権、これまで大きく掲げていましたけれども、現状はどうでしょうか。まだまだ働く女性、いろんな障害があるんじゃないですか?」

松沢「はい。私も、一児の母として、待機児童対策、とくに、認可保育園と、認可外保育園の不公平の解消など、熱心に取り組みたい政策の一つです。自分自身の経験からも、出産し、子育てをしながら、仕事を続ける難しさ、痛感してます。結婚したから、子どもが生まれたからと、そういう理由で、女性がキャリアを諦めなければいけない。そういう現状は、変えていくべきだと思います」

小池「とても日本的な現象なんですよ、それは。女性がね、活躍できる社会っていうのは、結局、みなさん、誰にとっても暮らしやすい国、だと、まあ、ある種の象徴だと思うんですね。わたくしは、都政でも、女性の活躍進めてきました。今度は、国政でしっかり進めていく。その仲間を国政に送り込みたい。ちなみに、いろんな調査があるんですけれども、女性国会議員の比率っていうのは、世界の中でも、日本は下から数えたほうが早い。163位っていうような、不名誉な数字にもなっています」

松沢「小池さんは、日本の問題は、しがらみの中で、遅々たる改革しか進まないことだと、おっしゃっていますよね。私もかつて、年金積立金、管理運用独立行政法人、一般にGPIFと、呼ばれる組織の、ガバナンス改革担当参与として、アドバイザーとして、ときの厚生労働大臣を、補佐させていただいたことがありました。当時の大臣が打ち出した改革は、関係者の抵抗により、なかなか進まなかったことを鮮明に覚えています」

小池「なんだかあの、受動喫煙問題を思い起こさせますね。わたくしもね、政権与党の中で、いろいろと、匍匐(ほふく)前進の制度改正、まあ、なかなか進まない制度改正ってのを目の当たりにしてきました。一ミリ一ミリの変化では、もう世界の変化についていけないんですよ。そこで、守るべきはしっかりと守る。変えるべきは大胆に変える。それが今の日本に必要だと考えています」

松沢「そのために、希望の党では、いくつかの具体的な政策を掲げていますよね」

小池「はい、そうなんです。今回の、解散総選挙。北朝鮮情勢がこういう中にあって、いかがなものかと思いますが、でも、ここは、改革のチャンスです。日本をリセットするチャンスだ。そういうふうに思っています。そのために、わたくしたちは、3つの大きな柱、政策を立てています。まず1つが、消費税の増税を凍結いたします。好景気の実感がない中でね、またこれを、10パーセントに上げると、いうことになりますと、より消費を冷え込ませてしまう。財源問題がありますけれども、まずは、国会議員、自らが、身を切る改革を行っていく。それから、まあ、さまざまな歳出削減を行います。国有財産の売却なども、徹底して行います。補正予選、すぐ何兆円って出すんですが、ここなども、しっかりと目を配らせていかなければならないと思っています。2つめ、原発です。2030年までに、原発ゼロを目指してまいります。省エネの徹底、そして、再生エネルギーの徹底利用、これらの3本柱で、工程表を描いていきます」

松沢「わたくしは、国会に設置された、原発の事故調査委員会の、調査課長を務めておりました。調査を通じて、国民の安全よりも、訴訟リスクを回避することや、一度決定したエネルギー政策への影響を重視してきた経緯を、目の当たりにしました。行政は、本当に国民のほうを向いているのかと、強く疑問を持ちました。未来に向けて、しがらみなく、エネルギー政策を議論する必要があると思っています」

小池「はい。そして、3つめは、憲法改正なんですが、わたくしはね、昨年の都知事選からずーっと政策の一丁いち・・・、一丁目一番地っていうのは、情報公開だと言ってきました。国民の知る権利を、憲法に明確に定めて、国、自治体の情報公開を進めていきたいと考えています。9条だけではないんですよ。広く、この憲法全体の見直しを、時代に合わせて、与野党で協議する、そんな必要があると考えています」

松沢「おっしゃるとおり、今回の解散のきっかけとして、情報公開の問題があります。国民が、自分で国のあり方を決めていく、という観点からも、行政の透明性、ひじょうに重要だと、私も感じています」

小池「そうですね。例の、森友、加計疑惑。これもですね、資料がない、記憶がない、知らないと、いうことばかりで、たいへん不信を呼んできました。こういうことではいけません。やはり、情報公開を徹底する。公文書管理を徹底する。このことを、わたしたちは、国政の場において、進めていかなければならない。わたしたち希望の党は、国政を透明化して、国民とともに進める、そんな政治を実現してまいります。既得権益とか、しがらみなど、これを排除して、国民ファーストな政治を実現していく。そして、日本にはあらゆるものがありますが、足りないもの、それは希望です。今日よりも明日がきっといい。希望を持てる社会作りを進めてまいります。そのために、みなさんの一票を、希望の党に、託していただきたいと、このように考えております。国民の、国民による、国民のための、希望の党。国民ファーストの希望の党。どうぞみなさま、希望の党、少選挙区、比例代表ともに、みなさまのご支援、心からお願いを申し上げます。どうぞよろしく、お願いをいたします」

N「東京都選挙区、希望の党の政見放送でした」


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